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形状記憶・超弾性合金 古河NT合金
製品事業部概要NT合金の応用技術資料FAQ
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1. はじめに
(FTM技資 1997.1)
  形状記憶合金は、任意の形に変形しても、合金に固有の温度以上に加熱すると、変形前の形に形状回復するユニークな材料である。これを応力-ひずみ曲線で示したのが図1・1である。(a)は通常の金属材料で弾性域を越えて変形させて除荷すると永久変形が残る。(b)の形状記憶合金の場合は、加熱するともとにもどる。(c)は変形させても除荷するともとにもどる超弾性を示している。図1・2には、加工・熱処理をおこなった合金を温度を変えて、引っ張り試験した時の応力-ひずみ曲線を示している。T≦298Kの低温域では、大きなひずみが残るが、Af点以上に加熱すれば消える。この温度域で形状記憶効果が現れている。
 
図1・1 形状記憶合金と超弾性合金の応力-ひずみ曲線

図1・2  応力-ひずみ曲線の温度依存性
図中の点線は試料を変形後、Af点以上に加熱した場合の形状回復率を表わす

  一方T≧318Kの応力−ひずみ曲線では、除荷するとゴムのようにもとの位置に戻ることがわかる。Af点以上の高温でみられるこの現象を超弾性という。この図1・2には先に示した図1・1の(b)と(c)の現象が1つの合金材料の異なった温度域で現れることが示されている。このような形状記憶効果や超弾性は母相(オーステナイト相)からマルテンサイト相へ、あるいはマルテンサイト相から母相への相変態によって発現する。この変形の様式を図1・3に模型的に示した。一般の合金では、負荷すると(a)(2)のように特定の面ですべりが生じ、(a)(3)のようにせん断ひずみが生じる。また、このすべり変形では結晶の構造は変わらない。形状記憶合金では、(b)(1)の母相は変態点以下に冷却すると(b)(2)のように結晶構造が変り、マルテンサイト相になる。この状態で負荷すると(b)(3)のように、となりの原子同士が連なって折れ曲がるような形でせん断変形する。これを変態点以上に加熱すると母相に逆変態し、(b)(1)の形にもどる。これが形状記憶効果である。Af点以上の温度で母相(c)(1)を変形させると外力により(c)(2)のようにマルテンサイト相が誘起されながら変形する。外力を除くと、エネルギー的に不安定なマルチンサイト相から、母相に逆変態し(c)(1)のもとの形にもどる。これが超弾性である。これらの回復ひずみは、NiTi合金では最大7〜8%である。なお、便宜上、Af点が、室温以下の材料を超弾性合金と呼んでいる。即ち、室温で超弾性を示す合金ということである。
  実用化されているのは、NiTi合金と銅系および鉄系の合金の一部であり、形状回復特性、繰り返し特性などの点でNiTi合金が優れている。
  形状記憶効果や超弾性の特性を評価する上で、変態点の測定は大切である。ここでは、代表的な方法として、DSC(示差走査熱量測定)法の原理を図1・4に示す。試料の冷却過程の発熱ピークの開始と終了の点を2本の接線の交点として求めそれぞれMs、Mfとする。同様に加熱過程での吸熱ピークよりAs、Afが求められる。
Ms:マルテンサイト変態が開始する温度
Mf:マルテンサイト変態が終了する温度
As:逆変態が開始する温度
Af:逆変態が終了する温度
図1・3  各種変形様式の原子の移動と形状変化を示す模式図


図1・4  冷却・加熱に伴うDSC曲線

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