特性制御・加工・<br>応用技術

特性制御・加工・
応用技術

5.1特性制御

Ni-Ti合金の配合比は変態温度に対し非常に大きな影響を及ぼす。0.1at%(あるいは0.1wt%)の配合値の変動が,約10℃の変態温度の違いを生ずる。変態温度のばらつきの要因として、配合値のばらつき、カーボン、酸素をはじめ不純物の影響があるため、真空度等の鋳造条件の管理が重要である。したがって、通常Ni-Ti合金の溶解鋳造工程は,真空高周波溶解炉(VIM)、あるいは、真空アーク鋳造(VAR)により行われている。

5.2 形状記憶、超弾性熱処理

Ni-Ti合金は、形状記憶効果あるいは超弾性を利用するために、直線あるいはコイルばねの形に拘束して、中温で熱処理(形状記憶処理)される。熱処理温度は400~550℃が一股的である。治具の大きさにもよるが30~60分保持されることが多い。雰囲気は用途により大気中、真空中、不活性ガス中のいずれかを選択すればよい。400℃付近で析出挙動や、徐冷では変態温度が上がるため、冷却は水冷、あるいは、ファン空冷が望ましい。

5.3 成形加工

Ni-Ti線はコイル成形機でばね成形ができる。スプリングバックが大きく,焼き付き易いので工具の摩耗が大きく、成形加工は容易ではないが,実用化のために種々工夫されている。プレス加工等の大きな変形を与える加工では、予め焼鈍(700℃前後で加熱)しておくとよい。

5.4 接合・メッキ技術

Ni-Ti合金は使用中の変形量が大きいので、複合やメッキは困難とされていたが、眼鏡フレーム製造では、メッキ後のろう付け、あるいは、直接接合が採用されるようになった。工夫のポイントは接合部に大きな変形が生じない設計をすることである。メッキについては、変形の大きいところは物理的な表面処理法(イオンプレーティング、スパッタリング等)が成功している。

5.5 圧延、板加工

Ni-Tiは難加工合金であり、焼鈍間の最大冷間加工率は鉄、銅、アルミニウム等よりかなり低い。また高圧延加工を加えると割れやすいという特徴がある。熱間圧延、冷間圧延は可能だが、加工率を制御し、冷間加工後には焼鈍によって加工歪を回復させる必要がある。板、状、テープ加工は可能ではあるが、非常にコストがかかる。古河テクノマテリアルは、現在、板、条製造からは基本的に撤退した。

5.6 使用上の注意

加熱すると急激に形状回復することがあり、安全性の面より注意を要する。記憶特性面からは大きなひずみ(>8%)を考えるとすべりが生じ、形状がもどらなくなる。また、温度の高い状態(>Af+50℃)で変形させたり、大きなひずみで拘束しても変形が残留する。これを防止するためには、過大の変形が集中しないようにストッパーを設ける等、取り付けの方法を工夫する必要がある。

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